先日、那有多くん(@s_yakumo2nd)のカホンをメンテナンスした話。
良い結果が得られたので自分の備忘録としても書き残しておこうと思います。
カホンのアップデート完了!!
あのねー……ヤバいです。
ありえないくらいいい音になりました。
ものすごいアップデートです。打面上側のけやき板のおかげで高音がすごい抜けるようになり、ゴムバンドのおかげで弦の鳴りも程よく抑えられてます。 pic.twitter.com/xa0krsOCHY
— 那有多[音楽アカ] (@s_yakumo2nd) January 18, 2020
先日、那有多くんからカホンのメンテナンスの相談を受けました。
那有多くんのカホン(縁モデル)をメンテナンス(アップデート)するのは2度目になります。
できる事なら初めから、これ以上ない最高のカホンをお届けできれば良いんですが、現状の実力以上のモノは作る事ができません。
そのかわり、応援して頂いてるユーザーには誠意を尽くしたいと考えています。
メンテナンスの内容
那有多くんの悩みは以下の2つ。
- 弦の雑味を減らしてほしい
- 高域をもっと出したい
と悩みを具体的に提示してくれたのでメンテナンス&アップデートの方針が明確になりました。
- ゴムバンド
- 上部の弦押上げ器
- 共鳴板
- 打面上部アフゼリア材
- エリクサー弦
- 弦長を短く
ゴムバンドを内側の弦に貼り全体的に弦を押し上げます。
そうする事で、内側の弦だけ響きが抑制されタイトになり、打面の外側(高域)と内側(低域)の分離感を向上させる事が狙い。
弦が打面に完全密着するとバズ感は減り低域の音量感が増えます。
打面は叩くとわずかですが板が湾曲します。
この押上げ器は極小のスプリングが内蔵されており、叩いた衝撃に合わせて弦の高さをリアルタイムで調整します。その他、好みの太さの弦を張った時にも自動的に最適な高さに調整してくれるので便利です。
那有多くんの希望がバズ感を抑える事でしたので、弦の調整と合わせて板を小さくする事により、スナッピーのバズ感を減らしました。
これは最近お気に入りの加工で、硬度の高い木を上部に貼り中は空洞になっています。
目的は立体感ある高域を付与する事と弦の鳴らないエリアを追加する事で、ごく小さな音が表現しやすくなり結果的にダイナミクスが広がります。
様々な弦を試しましたが、ざっくり結果を書くと
アコギ弦全般=ちょっとバズ感が大きい
⇧⇩
エレキ弦全般=ちょっとバズ感が足りない
ちょうど間のものがあったら良いのに…とずっと模索していました。
最近、ちょうど良いと感じた弦がエリクサー弦です。
ポリウェーブとナノウェーブを個体に合わせて使い分けています。
どちらもアコギ弦とエレキ弦の間程度のバズ感でバランスが取れていて使いやすいです。
問題は少し値段が高い事くらいでしょうか。
交換する際も是非エリクサー弦を使って頂きたいです。
ゲージは~0.46か~0.42がオススメです。
④の加工で若干打面が短くなってピッチが上がったんですが、もうひと押しだと感じたので下部にも押し上げ器を取り付け弦長を短くしました。
これにより全体的なピッチがあがりました。
高音は伸び、低音はピッチが上ることでしまりました。
以上、メンテナンスについて一部公開させて頂きました。
※加工法や結果については、全て体験に基づくものでどのカホンでも同じ結果が得られるとは限りません。
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